【高尾山】ミシュランガイドに載った標高599mの世界一の山

高尾山タイトル東京の郊外・八王子市にある高尾山は、標高わずか599mにもかかわらず極めて人気が高い。それには、いくつかの理由がある。

高尾山タイトル写真1写真1:小仏城山から見た早春の高尾山。こうして見ると何の変哲もない低山。奥に広がるのは八王子市街から横浜方面。(撮影:2020/3/017)

高尾山タイトル写真2写真2:小仏城山から見た初夏の高尾山。梅雨に入って緑が濃くなった。天気のおかげで平凡な山容が少し絶景らしく見える。(撮影:2020/6/24)

高尾山タイトル写真3写真3:八王子市内から見た夏の高尾山(右寄りのピーク)。左には、雲をまとった丹沢の大室山と富士山が見える。(撮影:2021/8/10)

*タイトル画像は5秒ごとに変わります。


高尾山は、年間260万人以上が登る世界一登山者が多い山。


2007年、あのミシュランガイドの三ツ星観光地に選定されて、ますます知名度を上げた高尾山。高尾山を訪れる人は年間260万人を超えるといわれています。これだけ人気が高いのは、さまざまな理由があります。

まず、都心からのアクセスがよくて登りやすいこと。新宿から京王線で高尾山口駅まで1時間弱。そして、駅から5分も歩けば登山口。高尾山には複数の登山道があって、どのコースでも山頂まで1時間半くらい。また、ケーブルカーやリフトを使えば、もっと楽に尾根まで上がることができます。

次に、開山から1300年近い高尾山薬王院があって、信仰の山として自然が保護されてきたこと。薬王院は真言宗智山派の関東三大本山のひとつで、お参りのために訪れる人もたくさんいます。お堂や仏教関連の施設も多く、お寺が好きな人にとっても楽しい場所です。

そして、少しマニアックな話ですが、実は高尾山が日本における照葉樹林と広葉樹林と針葉樹林の境目で非常に植生が豊か。高尾山で最初に発見された植物も多く、作家・田中澄江の「花の百名山」にも選ばれています。

実際、登山道を歩いていても、いろいろな花や植物に出会えます。冬は、氷(霜)の花なんていう名物に遭遇することもあります。

さらに2020年には、高尾山と周辺の文化財が東京で唯一、文化庁の日本遺産に認定されました。タイトルは「霊氣満山(れいきまんざん)高尾山 ~人々の祈りが紡ぐ桑都(そうと)物語」。

とはいえ、高尾山の山容をイメージできる人は少ないと思います。タイトル写真を見ても分かるように、とにかく標高が低くて山の形に特徴がありません。同定するのは、なかなか難しいです。

しかし、高くなくても、尖がってなくても、世界一になれるんですね。では、まず早朝の山頂で撮影した360°全天球パノラマ写真をご覧ください。

※画面左下のTHETAの文字をクリックすると、よりワイドな画面でご覧いただけます。

この写真は、Webサイト『絶景360』の一部です。『絶景360』は、こちら(http://t1.zk360.site)からご覧いただけます。 – Spherical Image – RICOH THETA

秋の早朝、高尾山の山頂で全天球パノラマ写真(2016/11/18)
高尾山の山頂は広い広場になっていて、ほぼ観光地。初日の出のときや紅葉シーズンは、この広場が人で埋まる。

高尾山の喧騒を離れて山らしさを味わえる、もみじ台。


このサイトの来訪者の中には、もっと山らしい雰囲気を味わいたいという人が多いと思います。そんな人にお勧めなのが、高尾山の山頂から奥高尾方向へ10分ほど歩いたところにある、もみじ台です。

個人的には、もみじ台が高尾山で最高のビューポイントだと思います。本当は人に教えたくない、お気に入りスポットです。観光客が多い山頂を避けて、いつもここでお昼を食べます。

※画面左下のTHETAの文字をクリックすると、よりワイドな画面でご覧いただけます。

この写真は、Webサイト『絶景360』の一部です。『絶景360』は、こちら(http://t1.zk360.site)からご覧いただけます。 – Spherical Image – RICOH THETA

紅葉真っ盛りのもみじ台で全天球パノラマ写真(2016/11/18)
相模湖の向こうに丹沢や富士山を望むことができる。

山だけじゃない、高尾山の見どころ。

高尾山登山口広場
京王線の高尾山口駅から徒歩約5分の登山口広場。左側の建物がケーブルカー乗り場。この左側に、登山道6号路と稲荷山コースの入口がある。メインの1号路は、少し手前の右側の舗装路を行く。
高尾山浄心門
尾根まで登って少し行くと浄心門という山門があって、ここからが薬王院。門には「霊氣満山」の額がある。なお、この先に、さらに立派な山門がある。
高尾山神変堂
浄心門をくぐると、すぐ左に神変堂がある。ここには、修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が祀られている。左右の前鬼と後鬼にも注目。手前の花はシャクナゲ。
高尾山仏舎利塔広場
浄心門の少し先、右手の高台に仏舎利塔があって、その前が人の少ない静かな広場になっている。新緑の季節も紅葉の時期も美しく魅力的な場所。
高尾山薬王院大本堂
薬王院の大本堂。初詣のときは、すごく混む。山頂へ行くには左手の階段を上る。右側に進むと、縁結びの愛染堂や八十八ヵ所巡りができる大師堂などがある。
高尾山本社飯綱権現堂
本堂の上にある本社、飯縄権現が祀られている。薬王院はお寺だけど、本社の前には鳥居がある。ここまで来ると、だいぶ人が減って静かな雰囲気でお参りできる。
高尾山飯綱権現堂の横の紅葉
本社を右に回り込んだところで撮った紅葉。この先、急な階段を上ったところに奥の院があり、その裏に富士浅間社がある。小さな社だけど、高尾山と富士信仰の縁は深い。
高尾山の山頂から富士山を望む
山頂広場の西の端に大見晴台があって、天気がいいと富士山を望める。ただし、くっきり見えるのは稀。秋から冬の午前中は見える可能性が高い。昼過ぎには、たいてい雲に隠れてしまう。
高尾山登山道のオオカメノキ
高尾山は植生が豊か。さまざまな植物を観察したり写真に撮ったりするのも楽しい。これは、7月に撮影したオオカメノキ(ムシカリ)の枝。
高尾山の麓の紅葉
こちらは、高尾山口駅の近くで12月に撮った、この年最後の紅葉。東京では年々紅葉の時期が遅くなっていて、高尾山の紅葉は11月ごろ。

高尾山のベストシーズンは春夏秋冬、とは言うものの…


高尾山へのアクセスに最適な京王線。その京王線を運行している京王電鉄は、季節ごとに高尾山をPRするポスターを貼っています。そして、その中で「ベストシーズンは、春夏秋冬です。高尾山」というキャッチコピーが使われています。

実際、高尾山には一年中多くの人が登っています。最も混むのは初詣のとき、特に1月1日の未明ですが、これは特別。登山者が多いのは、新緑がまぶしいゴールデンウイークの時期と紅葉が美しい11月ころ。ケーブルカーに長蛇の列ができるほか、一部の登山道が一方通行になったりします。

避けたいのは、真夏。山は涼しいというイメージがあるかもしれませんが、高尾山の標高は599m。この高さだと、平地の気温と変わりません。都内が真夏日なら、高尾山も真夏日。登山は屋外の激しい運動なので熱中症などの危険があります。

私が個人的に好きなのは冬。落ち葉を踏みながら、人が少ない陽だまりを歩くと気持ちが落ち着きます。ただし、防寒対策は十分に。都内より10度くらい気温が低いこともあるので、万が一、遭難などあると大変なことになります。

それと、ケーブルカーで上がって薬王院へ行くだけなら、革靴やスカートの人もいます。しかし、山頂まで行くなら少なくともスニーカーで。それ以外の登山道を歩くなら、トレッキングシューズか軽登山靴が必要です。かつて底の厚い靴が流行ったころ、厚底ブーツで稲荷山コースを下ろうとして急坂で立ち往生、半泣きの女子を見たことがあります。

高尾山へのアクセス

エリア:関東南部

①京王線の高尾山口駅から登山口まで徒歩5分。複数の登山コースがあって、どれを行っても山頂まで徒歩1時間半ほど。薬王院にお参りするならプラス30分くらい。ケーブルカーかリフトで尾根筋まで上がることもできる。

②陣馬山から景信山や小仏城山を経由して高尾山まで縦走できる。しかし、1日がかりで登山装備が必須。朝早めにJR中央線の高尾駅からバスで陣馬高原下まで行って、まず陣馬山を目指す。

③このほか、小仏城山や景信山、明王峠などに通じる登山道がたくさんある。これらを登り、尾根に出てから高尾山へ向かう人も多い。ルートが複雑なので、必ず登山用の地図を確認してほしい。

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